われらは登山隊。今月こそ山に登らねば…と先月もこの欄に書いたのだけれど、やっぱり暑さには勝てず、またまた川が舞台になってしまった。
今年の夏の狂ったような暑さが悪いのか、はたまたわれらの根性が足らんのか。う〜む・・・。ま、とにかく暑いときは水の中に入るに限るのだ。
田村隊員がオオサンショウウオ出没情報を仕入れてきていた。梅雨明け前に、チキンセンター西側付近のよどみで確認されたという。
オオサンショウウオは言わずと知れた特別天然記念物。いつもは水のきれーいな、つめたーい場所に棲んでいる。
大水に乗って、どんぶらこっと山川谷から流れてきたのかなぁ。それにしても、加勢蛇の中で一番汚い場所におらんでもいいのに。な〜んて思いながら現場付近を軽く捜してみたら、アユはいたけどやっぱり奴はいなかった。夜行性だから当たり前か・・・。
その現場のすぐそばで、僕よりかなり年上のおじさんが投網を打っていた。
マムシの死骸のそばに無造作に置かれていたバケツを覗き込んだら、アユ2匹とウグイが1匹。う〜む、ちょいとさびしいな。
普通なら水が少なくても、アユはそれなりにルートを見つけて上っていくのだけれど、えん堤だらけの加勢蛇川はそれを許してはくれないのだ。
上流域から河口まで、100m置きに造られた大小様々のえん堤は、昭和30年代までに造られた堤防の枠組に沿って、中央部に流れをコントロールしている。
えん堤は流れを階段状にする。階段状になれば、流れの速い“瀬”はできない。瀬ができなければ、流れの緩やかな“淵”はつくられない。
▲隙間に潜む魚を撮影する朝倉見習いカメラマンとそれを見守る隊長ら
淵は魚たちのオアシス。深く切れ込んだ奥の方は暗く、外敵だらけの魚たちにとって、身を守る絶好の場所になる。
一方の側には上流から流れてきた砂がたまり、水質浄化に一役買う。
水がきれいになれば、その中に生きる動物も植物も元気いっぱいに増えていく。川は、健全な淵のあるなしで天と地ほど違ってくる。
加勢蛇川のアユたちは、初夏にコケを食べながら遡上して、秋に再び下流域に下がってきて産卵するという “種に課せられた義務”を果たすことなく死んでいくのだ。
緑色の正体はアオミドロ。川や池に棲むこの緑藻は世界中に生息しており、1千を超す種が存在すると言われている。水温が摂氏25度を超えると発生しやすくなるらしい。
僕が子どもの頃は、この藻を『あんどろ』と呼んでいた。たぶんアオミドロがなまったのかな。
前に、村のお年寄りに名の由来を尋ねた時は「そりゃぁ、あんどろだけだがな」で片付けられたっけ。確かに、見た目も手の感触もそんなに気持ちいいものではないから、あんどろという名はピッタリのような気もするけど…。
▲カメラに水中用のカバーを取り付け、あんどろの撮影に挑戦
高知・四万十川の川海苔(青海苔)とよく似ているが、四万十川の川海苔は寒い冬場に採るものだから、根本的に異質なものなのだろう。
番組では上流へ向かいながら、そのあんどろの川の中で魚介類を探した。
杉下橋の下では、田村隊員が、動きが速くぬるぬるして手づかみの難しいカワヨシノボリをみごとに押さえてみせた。
上法万橋の上手では谷口隊員が、どの魚より捕獲が難しいシマドジョウを砂と一緒に網ですくった。
最後のロケ地・山川谷で僕はカジカをつかまえた。手づかみで獲ったのはたぶん40年ぶりくらいかな。
▲カジカ(ざっこ)
当たり前だけど、カジカのぬるぬるした感触は昔のまま。つかみ取ったときの喜びも昔のままに蘇ってきた。
▲サワガニ
予定ではもう1種、ドンコ=ボッカが獲れるはずだったけど不発に。
できればアユの顔も拝みたかったけど、初めに行ったオオサンショウウオ確認現場以外で、その姿(影も)を見ることはできなかった。
アユは川の実力を測るものさし。力のある、いい川にはアユがたくさん遡上する。加勢蛇のような“えん堤川”にアユは棲めない。
公共工事で造った構造物を壊して、自然に配慮した形に造り直す動きは、ここ数年全国各地で広がりを見せている。
加勢蛇川でもさっさと始めんと、アユが1匹もおらん川になっちゃうなぁ。
それにしても来月こそ山に登らんとなぁ。
今年の夏の狂ったような暑さが悪いのか、はたまたわれらの根性が足らんのか。う〜む・・・。ま、とにかく暑いときは水の中に入るに限るのだ。
田村隊員がオオサンショウウオ出没情報を仕入れてきていた。梅雨明け前に、チキンセンター西側付近のよどみで確認されたという。
オオサンショウウオは言わずと知れた特別天然記念物。いつもは水のきれーいな、つめたーい場所に棲んでいる。
大水に乗って、どんぶらこっと山川谷から流れてきたのかなぁ。それにしても、加勢蛇の中で一番汚い場所におらんでもいいのに。な〜んて思いながら現場付近を軽く捜してみたら、アユはいたけどやっぱり奴はいなかった。夜行性だから当たり前か・・・。
その現場のすぐそばで、僕よりかなり年上のおじさんが投網を打っていた。
マムシの死骸のそばに無造作に置かれていたバケツを覗き込んだら、アユ2匹とウグイが1匹。う〜む、ちょいとさびしいな。
◇ ◇
毎年のことながら、加勢蛇川は夏になると水が減り、8月の半ばになっても下流に留まらざるを得ないアユがたくさんいる。普通なら水が少なくても、アユはそれなりにルートを見つけて上っていくのだけれど、えん堤だらけの加勢蛇川はそれを許してはくれないのだ。
上流域から河口まで、100m置きに造られた大小様々のえん堤は、昭和30年代までに造られた堤防の枠組に沿って、中央部に流れをコントロールしている。
えん堤は流れを階段状にする。階段状になれば、流れの速い“瀬”はできない。瀬ができなければ、流れの緩やかな“淵”はつくられない。
▲隙間に潜む魚を撮影する朝倉見習いカメラマンとそれを見守る隊長ら
淵は魚たちのオアシス。深く切れ込んだ奥の方は暗く、外敵だらけの魚たちにとって、身を守る絶好の場所になる。
一方の側には上流から流れてきた砂がたまり、水質浄化に一役買う。
水がきれいになれば、その中に生きる動物も植物も元気いっぱいに増えていく。川は、健全な淵のあるなしで天と地ほど違ってくる。
加勢蛇川のアユたちは、初夏にコケを食べながら遡上して、秋に再び下流域に下がってきて産卵するという “種に課せられた義務”を果たすことなく死んでいくのだ。
◇ ◇
8月になって、加勢蛇川は下流から緑色に染まり始めた。緑色の正体はアオミドロ。川や池に棲むこの緑藻は世界中に生息しており、1千を超す種が存在すると言われている。水温が摂氏25度を超えると発生しやすくなるらしい。
僕が子どもの頃は、この藻を『あんどろ』と呼んでいた。たぶんアオミドロがなまったのかな。
前に、村のお年寄りに名の由来を尋ねた時は「そりゃぁ、あんどろだけだがな」で片付けられたっけ。確かに、見た目も手の感触もそんなに気持ちいいものではないから、あんどろという名はピッタリのような気もするけど…。
▲カメラに水中用のカバーを取り付け、あんどろの撮影に挑戦
高知・四万十川の川海苔(青海苔)とよく似ているが、四万十川の川海苔は寒い冬場に採るものだから、根本的に異質なものなのだろう。
番組では上流へ向かいながら、そのあんどろの川の中で魚介類を探した。
杉下橋の下では、田村隊員が、動きが速くぬるぬるして手づかみの難しいカワヨシノボリをみごとに押さえてみせた。
上法万橋の上手では谷口隊員が、どの魚より捕獲が難しいシマドジョウを砂と一緒に網ですくった。
最後のロケ地・山川谷で僕はカジカをつかまえた。手づかみで獲ったのはたぶん40年ぶりくらいかな。
▲カジカ(ざっこ)
当たり前だけど、カジカのぬるぬるした感触は昔のまま。つかみ取ったときの喜びも昔のままに蘇ってきた。
◇ ◇
結局この日捕獲したのは㈰タカハヤ=泥バエ㈪ウグイの幼魚㈫カワヨシノボリ=ゴズ㈬シマドジョウ=サーランドジョウ㈭サワガニ㈮カワニナ=ニューニャー㈯カジカ=ザッコの7種。▲サワガニ
予定ではもう1種、ドンコ=ボッカが獲れるはずだったけど不発に。
できればアユの顔も拝みたかったけど、初めに行ったオオサンショウウオ確認現場以外で、その姿(影も)を見ることはできなかった。
アユは川の実力を測るものさし。力のある、いい川にはアユがたくさん遡上する。加勢蛇のような“えん堤川”にアユは棲めない。
公共工事で造った構造物を壊して、自然に配慮した形に造り直す動きは、ここ数年全国各地で広がりを見せている。
加勢蛇川でもさっさと始めんと、アユが1匹もおらん川になっちゃうなぁ。
それにしても来月こそ山に登らんとなぁ。