2005年4月20日水曜日

流木は世界をつなぐ〈Peak.25〉



 ジャジャじゃーん!第1回環日本海流木アート大賞グランプリは、赤碕の宮脇寿行さんで〜す。おめでとうございま〜す。


▲グランプリに輝いた宮脇さんの作品「流れ着いた生き物たち」

 というわけで、4月のこの番組は、またまたビーチコーミングがらみ。
 「また海かいや!登山隊だら〜が」という不満があちこちから聞こえてきそうだったが、流木をちゃんと片付けなければ山には登れないのだ。
 琴の浦の流木のメッカ・逢束海岸でグランプリの授賞式をした。というかムリヤリ貰ってもらった。
 プレゼンテーターは不肖わたくしヒィーヒィー隊長。カメラ1台、観客は隊員のみ。環日本海と銘打った割には、なんとも寂しい授賞式だったが、1回目はこれでよし。先細りになるよりは段々賑やかになっていくほうがいい。
 「カカァからはゴミ扱いされていた流木が展示されたことで、ゴミではなーなりましたけーな」と宮脇さん。



 ちなみにグランプリの賞品は、流木先進地!?の隠岐島へペアで1泊2日のご招待。これまた“環日本海”らしくない質素な賞品だが、これもまた、先細りになるよりは…ということでかんべん願った。
◇      ◇
 ところで大賞展開催中は、会場に大きな瓶(カメ)を置いて、来場してくださった皆さんに意見・感想などを投入してもらった。
 展示が終わって、投入された枚数を数えてみたら、しめて174枚。お願いや強制をすることなく、まったく任意で入れてもらったから、この174という数字が多いのか少ないのかを判断するのは難しいが、1枚として「しょうもない展示会をするな」とか「えーかげんにせーよ」なんていう否定的なものがなかったことが何とも嬉しかった。
 
《流木アート大賞作品展の感想から》
◎波乗りにちょくちょく鳥取に来て、たまに流木を拾ってます。これまでは木の形やきれいさなどで選んでいましたが、発想の転換になりました。子どもが1歳半なので、わかるようになったら動物探しから始めようと思います。(尼崎市30代男)
◎皆さんの作品、楽しく見させていただきました。来年は私も出品できるように、さいさい海に行こうと思います。(県内50代女)
◎流木を拾う楽しさより、題名をつける方が楽しそう。出品者のそんな姿が目に見えるようです。(県内?代女)
◎私自身も海辺の生まれです。子どもの頃はたくさんの流木を拾ったことがあり、昔を思い出して見せていただきました。(県内60代女)
◎日本海で拾う流木が一番個性的なのでしょうね。(県外40代女)
◎自分も海岸に出て探してみたくなりました。(兵庫県30代男)
◎作品の題名を読んで「なるほど」とほほえましく夢が膨らみました。日本海を愛していきたいと思いました。(県内50代女)
◎青谷に住んでいて海も近いのですが、こんな楽しみ方を私もしたくなりました。来年は出品したいです。(県内40代女)
◎楽しい作品展でした。子どもたちも楽しめそうですね。来年も企画されたら参加してみようかなと意欲が湧きましたよ。(琴浦町?代男) 
◎流木アートはびっくりです。漂着物は海と生物、人間の博物誌。(中国からの研修生)
◎酒本さんご一家の明るいほのぼのとした、また自然に親しみ自然を愛する心に敬服します。愛海さん、海遊さんの成人された姿を拝見したいものです。(琴浦町70代男)
◎たいへん良い取り組みだと思います。これを機に海岸のゴミに関心を持っていただけたらいいですね。(琴浦町 女)
◎皆さんの想像力・ヒラメキに脱帽です。毎年やってください。(琴浦町 男)
◎アーと驚くかと思って来ましたが、しんわりと楽しむことができました。素晴らしい企画です。(琴浦町 男)
◇      ◇
 他にも事務局を感激させるコメントが多々あったが、こんどこそ「えーかげんにせーよ」と言われそうだから止めとかんと。
 で再び逢束海岸。
 隠岐島1泊2日ペア旅行の目録を片手に宮脇さんが続けた。
 「角のとれた流木を触っていると、えも言われぬ心地になるだんなぁ〜」


▲逢束海岸にすっかり溶け込んでいるグランプリ受賞者の宮脇さん。いつもこうして流木を拾い集めているそうだ

 “好きこそ物の上手なれ”は、ちょっと使い方が違うような気もするが、流木を、そして故郷の海を愛しているからこそのグランプリ受賞となったのだろう。
 ザザー・・・ザザー・・・チャップン・・・寄せては返す、穏やかな潮騒が宮脇さんを祝福した。