今回はブナ。ヘラブナとかゲンゴロウブナの“ブナ”ではない。樹木のブナである。
漢字で書くと『椈』または『(木編に無)』。『山毛欅』なんて書き方もある。山の毛の欅(ケヤキ)と書いて、どうしてブナなんだろうと悩んでしまうが、ブとナを3文字にどう割り当てたらいいのかも問題である。
日本では北海道の渡島半島から九州南部の大隈半島まで分布している。中でも、青森県と秋田県にまたがる白神山地のブナ林は分布面積が広く、その中心部は原生状態のまま残されていることから、1993年に世界遺産に登録された。
一方、ヨーロッパでは“森の女王様”と呼ばれ、昔から尊敬され親しまれてきているという。人間でもないのに尊敬されるとは大したヤツ・・・ん?女王様だから“ヤツ”ではマズイのか・・・大した“お方”なのである。
そのブナが、この4月から琴浦町の木に指定された。
「山は海の恋人」と言われるように、森林が持つ保水力で川を浄化し、さらに海の生き物を育てる。船上山から大山滝にかけて樹立するブナ林は生命力もたくましく、まさにシンボルとしてふさわしい。(広報ことうら5月号)
というのが選定理由で、自然豊かな琴浦町を象徴する樹木だという。
同時に発表された町民憲章の最初の項目にも『自然と環境を大切にするまち』と謳(うた)ってある。
町民憲章と町の木。自然と環境を守ろうという“ダブルの決意表明”がこれから本当に実行されていくのか、水戸黄門のような立場で我が登山隊がチェックしていこうと考えている。
そうそう森の女王様である。なんで王様じゃなくて女王様かはわからないが、細かいことは気にすまい。もともと女王様は好きである。でもややこしいから、これからはやっぱりブナと呼ぶことにする。
琴浦町でも船上山から大山滝、そして大休峠までブナの原生林が広がっている。規模は世界遺産・白神山地には遠く及ばないが、美しさでは負けない、と思う。
そのブナ、実にスグレモノである。
ブナなどの落葉樹は、晩秋に大量の葉を地面に落とす。その落葉は微生物たちの餌になるとともに腐葉土層となって堆積する。そこに水を蓄えるから、ブナの森は“緑のダム”とも“緑の水がめ”とも呼ばれる。この水が動植物の命の源になる。
また大木が寿命を迎えたり、強風などで倒れると、倒木にはキノコが生え、菌によって分解されて、やがて森の土に還っていく。
雨が降らなくても、川には絶えず水が流れ、稲をはじめ私たちが口にする多くの植物の命を育みながら海へそそぐ。
その源は山であり、ブナを中心とした広葉樹の豊かな森のおかげであることは言うまでもない。
ペットボトルで筒をつくり地面に立てて、そこに水を移し込んで浸透するスピードを比べた。別にペットボトルでなくてもよかったが、口の広い透明な筒が『いない』にもどこにもなかったのだからしょうがない。
勝負は言うまでもなかった。まるで横綱朝青龍 対 幕下力士。「まだなーならんだかいや」というヒノキの森に対し、「なんだいや、もーなーなっちゃっただかいや」というブナの森。
▲森の保水力を実験中の前田隊長と田村隊員。ヒノキの林では、筒に入れた水がしみ込むのに大変な時間がかかった。実験機材はすべて隊長の手作りだ。
なんだか、いつまでも水が残っている方が保水力があると勘違いしがちだが、当然その逆。地面への浸透が遅いヒノキの森は、雨が地表を流れ、濁り水が直接川へ入り込んですぐに川を増水させる。
一方すぐしみ込んだブナの森は、降った雨が何年もかかってじんわりじんわり地表に湧き出して、ミネラルを豊富に含んだ清らかな流れに生まれ変わるのだ。
▲ブナの森は“緑のダム”とも“緑の水がめ”とも呼ばれる
関係ないけど朝青龍といえば、今、世間を賑わせている某相撲部屋のくだらない争いも、どっちがブナで、どっちがヒノキか実際に相撲をとって決着をつければえーのに…。
日本では北海道の渡島半島から九州南部の大隈半島まで分布している。中でも、青森県と秋田県にまたがる白神山地のブナ林は分布面積が広く、その中心部は原生状態のまま残されていることから、1993年に世界遺産に登録された。
一方、ヨーロッパでは“森の女王様”と呼ばれ、昔から尊敬され親しまれてきているという。人間でもないのに尊敬されるとは大したヤツ・・・ん?女王様だから“ヤツ”ではマズイのか・・・大した“お方”なのである。
そのブナが、この4月から琴浦町の木に指定された。
「山は海の恋人」と言われるように、森林が持つ保水力で川を浄化し、さらに海の生き物を育てる。船上山から大山滝にかけて樹立するブナ林は生命力もたくましく、まさにシンボルとしてふさわしい。(広報ことうら5月号)
というのが選定理由で、自然豊かな琴浦町を象徴する樹木だという。
同時に発表された町民憲章の最初の項目にも『自然と環境を大切にするまち』と謳(うた)ってある。
町民憲章と町の木。自然と環境を守ろうという“ダブルの決意表明”がこれから本当に実行されていくのか、水戸黄門のような立場で我が登山隊がチェックしていこうと考えている。
◇ ◇
なんか路線が変わってきてしまった。元に戻らねば。そうそう森の女王様である。なんで王様じゃなくて女王様かはわからないが、細かいことは気にすまい。もともと女王様は好きである。でもややこしいから、これからはやっぱりブナと呼ぶことにする。
琴浦町でも船上山から大山滝、そして大休峠までブナの原生林が広がっている。規模は世界遺産・白神山地には遠く及ばないが、美しさでは負けない、と思う。
そのブナ、実にスグレモノである。
ブナなどの落葉樹は、晩秋に大量の葉を地面に落とす。その落葉は微生物たちの餌になるとともに腐葉土層となって堆積する。そこに水を蓄えるから、ブナの森は“緑のダム”とも“緑の水がめ”とも呼ばれる。この水が動植物の命の源になる。
また大木が寿命を迎えたり、強風などで倒れると、倒木にはキノコが生え、菌によって分解されて、やがて森の土に還っていく。
雨が降らなくても、川には絶えず水が流れ、稲をはじめ私たちが口にする多くの植物の命を育みながら海へそそぐ。
その源は山であり、ブナを中心とした広葉樹の豊かな森のおかげであることは言うまでもない。
◇ ◇
放送では、ブナの森が持つ保水力と、ヒノキの森のそれを単純なやり方で対比させた。ペットボトルで筒をつくり地面に立てて、そこに水を移し込んで浸透するスピードを比べた。別にペットボトルでなくてもよかったが、口の広い透明な筒が『いない』にもどこにもなかったのだからしょうがない。
勝負は言うまでもなかった。まるで横綱朝青龍 対 幕下力士。「まだなーならんだかいや」というヒノキの森に対し、「なんだいや、もーなーなっちゃっただかいや」というブナの森。
▲森の保水力を実験中の前田隊長と田村隊員。ヒノキの林では、筒に入れた水がしみ込むのに大変な時間がかかった。実験機材はすべて隊長の手作りだ。
なんだか、いつまでも水が残っている方が保水力があると勘違いしがちだが、当然その逆。地面への浸透が遅いヒノキの森は、雨が地表を流れ、濁り水が直接川へ入り込んですぐに川を増水させる。
一方すぐしみ込んだブナの森は、降った雨が何年もかかってじんわりじんわり地表に湧き出して、ミネラルを豊富に含んだ清らかな流れに生まれ変わるのだ。
▲ブナの森は“緑のダム”とも“緑の水がめ”とも呼ばれる
関係ないけど朝青龍といえば、今、世間を賑わせている某相撲部屋のくだらない争いも、どっちがブナで、どっちがヒノキか実際に相撲をとって決着をつければえーのに…。