そろそろカヌーに乗りたいなぁ…。
なんかケツ(失礼!)がむずむずしてきたので6月は由良川を下ることにした。登山隊を名乗りながらも、今年はまだ一度も山らしい山に登っていないのが気になるが、由良川が呼んでいるのだから仕方ない。
わが隊の由良川カヌー行は今回が2回目。2年前と同じく大島の少し上手の中橋に集合した。中橋より上流は段差がある上、この時期は田んぼに水をとられて航行不能となるから、ここを起点にするしかないのだ。
東園浜の田中俊彦さんと北栄町の松本昭夫町長が特別隊員として加わった。二人とも取材の折に話をして、興味がありそうだったので声をかけさせてもらった。
松本町長は午前のみの参加。一般隊員なら遅刻・早退はご法度だけど、まぁこれも仕方ないか。
南風が強い。この番組のロケにとって風は雨よりも難敵で、マイクが風音をゴボゴボ拾ってしまう。音声担当がいて、ちゃんとマイクの防風対策をすればいいのだろうけど、零細登山隊ではなかなかそうもいかない。風がやめば雨が落ちてくるのは確実だった。
だから公共施設関係が持っているものを借りるしかないのだが、それらの施設の多くは、カヌーに乗る場所を限定したりしているから、なかなか貸してくれない。
なんだか語尾に“ない”ばっかり続いたけど、自分とこのカヌーで事故でもされて責任問題になったらかなわん、というのが貸し出しを渋る理由のようだ。
飛行機とかバスなら、事故が起こったとき、その所有者や管理責任者の責任が問われるのはわかるけど、カヌーはちょっと違うんじゃないかなぁ。
カヌーは、沈(ちん=転覆)したら、運が悪けりゃ死ぬこともある。
だからみんなが、自分の命は自分で守るという固い決意で、ふらふらする小船の狭いスペースにケツ(またまた失礼!)を入れる。
沈して死ぬのは、すべて己の責任であるということを自覚しなければ、怖くてケツをはめられないのだ。
学校のグランドで子どもが転んで、それを学校のグウンド管理が悪いからだと学校側の責任を追及するような親がいたりするから、公務員が防衛線を張る気持ちもわかる。
でもその防衛線は、お客さん(県民)よりも自分達の保身を優先する考え方だから、明らかに間違っている。
そうは言っても、ちゃんと僕たちがカヌーを借りられたってことは、中には心ある公務員もいるってことなのだ。
由良川の色だと言ってしまえばそれまでだけど、まるでペンキを流したような濃さで、川が真っ茶色に染まる。
この日(6月8日)は、そのペンキ色もだいぶ薄まって、コーヒー牛乳色くらいになっていた。
某所から借りた一人艇4ハイと撮影用のカナディアンを中橋下の流れに浮かべ、順番に乗り込んだ。
▲出発地点は水が少なく、一人では漕ぎ出すことができない。松本町長の艇を押す前田隊長と見守る小前隊員。朝倉シェルパ隊長がカメラを回す。
水が少なく、ゴリゴリと船底をこすりながらいざ出発!したのはいいけど、ん?なんだかこわいぞ。
借りるときに「やけに小さくて軽いなぁ」と感じたもんなぁ…。実際に乗ると、ものすごく不安定で、ちょっと体重移動を間違えるとすぐ“沈”の危機が襲ってくる。
僕はこれまで県内外で3回カヌーに乗ったことがあるけれど、3回とも安定性のある素人用(?)のもので、こわいと思ったことは一度もなかった。
一人艇は同じタイプが4ハイ。僕の他に小前隊員、田中さん、松本町長が乗っている。見ると、みんな引きつったような表情で、真剣にカヌー操作と向き合っている。
まるで緊張感のないのが、撮影用のカナディアンに乗った朝倉シェルパ隊長(撮影係)と漕ぎ手の谷口隊員だった。
彼らは、僕らが怖がるのもおかまいなしに、安定性抜群の船を右に左に蛇行させながら、傍若無人に狭い川を下った。
▲午前の部終了。町長を囲み感想を話し合う。(お昼の上陸場所で)
でも、目をこらせば川岸の葦の中にはペットボトルやトレイなどの家庭ごみ。川の中には空き缶、そしてタイヤまで。橋の上からぶちまけたのだろう、海魚のはずのアジも二十匹ほど川底に横たわっていた。
田中さんが、前川との合流点で上陸しようとして“沈”した。
そのとき田中さんは、撮影艇のはるか前方を行っていたから、残念ながらカメラに収めることはできなかった。映らなければせっかくの沈も意味がない。
事前に“ムダ沈”はしないように言っておいたのになぁ…ま、特別隊員だから許そう。
中央公民館前から河口までは、朝倉シェルパ隊長がカメラを捨てて一人艇に乗った。
朝倉シェルパ隊長は2年前の由良川下りで、二度沈した実績を持つ。それだけに皆の注目と期待を一身に集めたが、 くやしいことにこちらも何事もなかった。くそっ!
でもまぁ、死人が出なくてよかったとしとこかな。
“沈”がなかったのを残念がってか、それとも川下りが終わるのを待っていてくれたのか…本格的な雨が川面をたたき始めた。
なんかケツ(失礼!)がむずむずしてきたので6月は由良川を下ることにした。登山隊を名乗りながらも、今年はまだ一度も山らしい山に登っていないのが気になるが、由良川が呼んでいるのだから仕方ない。
わが隊の由良川カヌー行は今回が2回目。2年前と同じく大島の少し上手の中橋に集合した。中橋より上流は段差がある上、この時期は田んぼに水をとられて航行不能となるから、ここを起点にするしかないのだ。
東園浜の田中俊彦さんと北栄町の松本昭夫町長が特別隊員として加わった。二人とも取材の折に話をして、興味がありそうだったので声をかけさせてもらった。
松本町長は午前のみの参加。一般隊員なら遅刻・早退はご法度だけど、まぁこれも仕方ないか。
南風が強い。この番組のロケにとって風は雨よりも難敵で、マイクが風音をゴボゴボ拾ってしまう。音声担当がいて、ちゃんとマイクの防風対策をすればいいのだろうけど、零細登山隊ではなかなかそうもいかない。風がやめば雨が落ちてくるのは確実だった。
◇ ◇
カヌーを借りるのには毎回苦労する。高知の四万十川のように、需要が多く商売として成り立つところには『貸しカヌー屋さん』が開店しているが、鳥取県内にはあるわけない。値段がとても高いから、零細登山隊が買い揃えられるわけもない。だから公共施設関係が持っているものを借りるしかないのだが、それらの施設の多くは、カヌーに乗る場所を限定したりしているから、なかなか貸してくれない。
なんだか語尾に“ない”ばっかり続いたけど、自分とこのカヌーで事故でもされて責任問題になったらかなわん、というのが貸し出しを渋る理由のようだ。
飛行機とかバスなら、事故が起こったとき、その所有者や管理責任者の責任が問われるのはわかるけど、カヌーはちょっと違うんじゃないかなぁ。
カヌーは、沈(ちん=転覆)したら、運が悪けりゃ死ぬこともある。
だからみんなが、自分の命は自分で守るという固い決意で、ふらふらする小船の狭いスペースにケツ(またまた失礼!)を入れる。
沈して死ぬのは、すべて己の責任であるということを自覚しなければ、怖くてケツをはめられないのだ。
学校のグランドで子どもが転んで、それを学校のグウンド管理が悪いからだと学校側の責任を追及するような親がいたりするから、公務員が防衛線を張る気持ちもわかる。
でもその防衛線は、お客さん(県民)よりも自分達の保身を優先する考え方だから、明らかに間違っている。
そうは言っても、ちゃんと僕たちがカヌーを借りられたってことは、中には心ある公務員もいるってことなのだ。
◇ ◇
5月の下旬から6月初めにかけて、由良川流域は田植えが盛んで、本流も支流もぜ〜んぶ泥の川になる。由良川の色だと言ってしまえばそれまでだけど、まるでペンキを流したような濃さで、川が真っ茶色に染まる。
この日(6月8日)は、そのペンキ色もだいぶ薄まって、コーヒー牛乳色くらいになっていた。
某所から借りた一人艇4ハイと撮影用のカナディアンを中橋下の流れに浮かべ、順番に乗り込んだ。
▲出発地点は水が少なく、一人では漕ぎ出すことができない。松本町長の艇を押す前田隊長と見守る小前隊員。朝倉シェルパ隊長がカメラを回す。
水が少なく、ゴリゴリと船底をこすりながらいざ出発!したのはいいけど、ん?なんだかこわいぞ。
借りるときに「やけに小さくて軽いなぁ」と感じたもんなぁ…。実際に乗ると、ものすごく不安定で、ちょっと体重移動を間違えるとすぐ“沈”の危機が襲ってくる。
僕はこれまで県内外で3回カヌーに乗ったことがあるけれど、3回とも安定性のある素人用(?)のもので、こわいと思ったことは一度もなかった。
一人艇は同じタイプが4ハイ。僕の他に小前隊員、田中さん、松本町長が乗っている。見ると、みんな引きつったような表情で、真剣にカヌー操作と向き合っている。
まるで緊張感のないのが、撮影用のカナディアンに乗った朝倉シェルパ隊長(撮影係)と漕ぎ手の谷口隊員だった。
彼らは、僕らが怖がるのもおかまいなしに、安定性抜群の船を右に左に蛇行させながら、傍若無人に狭い川を下った。
▲午前の部終了。町長を囲み感想を話し合う。(お昼の上陸場所で)
◇ ◇
瀬戸までは、コンクリートの護岸がしてないところが多く、葦がきれいに岸を覆って、目を細めて下ると実に美しく感じた。でも、目をこらせば川岸の葦の中にはペットボトルやトレイなどの家庭ごみ。川の中には空き缶、そしてタイヤまで。橋の上からぶちまけたのだろう、海魚のはずのアジも二十匹ほど川底に横たわっていた。
田中さんが、前川との合流点で上陸しようとして“沈”した。
そのとき田中さんは、撮影艇のはるか前方を行っていたから、残念ながらカメラに収めることはできなかった。映らなければせっかくの沈も意味がない。
事前に“ムダ沈”はしないように言っておいたのになぁ…ま、特別隊員だから許そう。
中央公民館前から河口までは、朝倉シェルパ隊長がカメラを捨てて一人艇に乗った。
朝倉シェルパ隊長は2年前の由良川下りで、二度沈した実績を持つ。それだけに皆の注目と期待を一身に集めたが、 くやしいことにこちらも何事もなかった。くそっ!
でもまぁ、死人が出なくてよかったとしとこかな。
“沈”がなかったのを残念がってか、それとも川下りが終わるのを待っていてくれたのか…本格的な雨が川面をたたき始めた。